『侯爵令嬢アグリ・カルティア』は、前世の農業知識を持つ侯爵令嬢アグリが、授かったスキル「農業」であれこれ解決していく異世界転生作品です。
低く見られがちな農業スキルが、アグリの知識と発想力でまさかのチート級に!
本人は農業スキルを隠しているつもりなのに周囲にはバレバレだったり、突然昭和ネタが飛び出したりと、笑えるポイントもたっぷり。
今回は、小説版とコミカライズ版を読んだ感想を中心に、その面白さを紹介します。
※作品の内容に少し触れています。
『侯爵令嬢アグリ・カルティア』とは?
原作は、ふぁち先生による小説家になろう掲載作品です。
正式な小説版タイトルは、
『侯爵令嬢アグリ・カルティアは授かったチートスキルでこっそり農業を謳歌する(バレバレ)』。
書籍化小説版はGCノベルズから刊行されており、イラストを担当しているのは兎塚エイジ先生。
2026年9月現在、第2巻まで発売されています。
小説家になろう版は「連載中」となっていますが、最新話の更新は2024年2月5日。
続きが気になるところです。
さらに、えにし先生によるコミカライズ版もスタート。
コミックス第1巻が2026年7月31日に発売されました。
貴族令嬢が授かったのはまさかの「農業」スキル
この世界では、魔物や隣国との争いがあるため、貴族には戦闘に役立つ攻撃系スキルが期待されています。
ところが侯爵令嬢アグリ・カルティアが授かったのは「農業」でした。
農業をはじめとする生産系スキルそのものが役に立たないわけではありません。
でも、それはどちらかというと平民向き。
侯爵令嬢が持つスキルとしては評価されにくく、アグリ自身も「こんなスキルだと家を追い出されるのでは?」と考えます。
そこでアグリは、自分が授かったスキルを農業ではなく攻撃系スキルだと偽ることに。
その一方で、農業はしたい。ものすごくしたい。
ここからアグリの「こっそり農業生活」が始まるわけですが、まったく「こっそり」になっていないのが、この作品のおもしろいところです。
「農業」ってそんなことまでできるの!?何でもアリなスキル無双が楽しい
最初は「農業スキル」と聞いて、畑を耕したり、作物を育てたりするスキルなのかな?と思いました。
もちろん農業もするのですが、アグリの場合はそれだけでは終わりません。
前世で持っていた農業に関する知識とスキルを組み合わせることで、
「それも農業に入るの!?」と言いたくなるような活躍を始めます。
この世界では低く見られがちな生産系スキルなのに、アグリが使うと完全にチート級。
いわゆる「俺TUEEE」系ならぬ、「農業TUEEE!」状態です(笑)。

「俺TUEEE」は「おれつえー(オレ強いの意)」と読みます(笑)
ただ強いスキルで敵を倒すのではなく、「農業」という一見地味な能力をアグリの知識と発想でどんどん広げていくところが、この作品ならではのおもしろさだと思います。
必死に隠しているのに周囲にはバレバレなのがおもしろい
個人的に特に好きなのが、アグリ本人は農業スキルだとバレていないつもりというところ。
家を追放されたくないアグリは、自分が授かった「農業」を攻撃系スキルだと偽ります。
本人としては、それなりにうまく誤魔化しているつもり。
ところが実際には……。かなりバレています(笑)。
そもそも小説版タイトルに最初から、「(バレバレ)」と入っているくらいです。
本人だけが「まだ大丈夫!」と思いながら突っ走り、周囲がそれを見守っている構図が楽しい。
アグリの暴走を止めるというより、次第に周りまで巻き込まれていくところも、この作品らしいドタバタ感につながっています。
昭和世代にはたまらない?突然飛び出す昭和ネタ
そして、50代の私がかなり楽しんでいるのが、アグリのセリフに突然ぶち込まれる昭和ネタ。
異世界の侯爵令嬢の話を読んでいるはずなのに、「そこでそれを持ってくる!?」というネタが急に飛び出します。
これが昭和を知っている世代には妙にツボ(笑)。
思わず吹き出してしまったところが何度もありました。
もちろん昭和ネタを知らなくても物語そのものは楽しめます。
でも、元ネタがわかる世代なら、もう一段階余計に笑える。
50代で異世界ものや令嬢ものを読んでいる人には、個人的にかなり推したいポイントです。
カルティア家の名前にも注目!家族そろって農業づくし
もうひとつ笑ってしまうのが、カルティア家の人々。
よく見ると、家族みんな農業に関係する名前がついています。
主人公が「アグリ」の時点でかなりわかりやすいのですが、ほかの家族も農業系。
こういう細かい遊びが随所に入っているのも楽しいところです。
そして名前だけでなく、カルティア家の面々そのものもなかなか個性的。
アグリがかなり突っ走るタイプなのですが「この家族ならアグリがこう育ったのも納得かも……」と思えてしまうような勢いがあります(笑)。
アグリひとりだけで物語を引っ張るのではなく、周囲のキャラクターまで一緒になって話を転がしていくところが、この作品の強みだと思います。
アグリの発想力と行動力がとにかく強い
アグリを見ていて楽しいのは、チートスキルそのものより「これをこう使ったらどうなる?」と考えて即行動するところです。
前世の知識があっても、それを使わなければ何も起こりません。
でもアグリは思いついたら、とにかくやる。
そしてだいたいやりすぎる(笑)。
農業スキルの能力、前世の知識、本人の発想力、さらに遠慮なく実行してしまう行動力。
この組み合わせによって、本来なら地味だったはずの「農業」が、とんでもない万能スキルのようになっていく。
ここが読んでいて爽快です。
コミカライズ版はアニメっぽい絵柄がかわいい!
コミカライズを担当しているのは、えにし先生。
このコミカライズ版の絵が、私はかなり好きです。
キャラクターの表情が豊かで、全体的にアニメを見ているような雰囲気のかわいい絵柄。
もともとアグリがじっとしているタイプではなく、動きの多いドタバタした作品なので、漫画との相性もいいと感じました。
勢いのある場面が絵になることで、アグリの暴走っぷりがさらにわかりやすい(笑)。
小説版で想像しながら読むのもおもしろいですが、コミカライズ版にはまた違った楽しさがあります。
そのうちアニメ化してもおもしろそう
2026年8月現在、アニメ化の発表がある作品ではありません。
ただ、コミカライズ版を読んでいると、「これ、アニメにしたら楽しそうだな」と思ってしまいます。
アグリがあちこち動き回るドタバタコメディですし、農業スキルを使った派手な場面もある。
さらに個性的なカルティア家の人々や昭和ネタまであります。
静かに心理描写を楽しむタイプというより、キャラクターが動いてこそ楽しい作品なので、映像との相性はよさそう。
コミカライズもまだ始まったばかりなので、これから人気が伸びていけば、いつかアニメになったアグリを見られる日が来るかも?
……と、ひそかに期待しています。
小説版第1巻はKindle Unlimited対象
2026年9月現在、書籍化小説版の第1巻はKindle Unlimitedの読み放題対象になっています。
気になっている人は、まず小説版第1巻から試してみるのもおすすめです。
私はコミカライズ版も好きですが、この作品はアグリの発想やセリフのおもしろさも大きな魅力。
漫画と小説、それぞれ違った楽しみ方ができる作品だと思います。

※Kindle Unlimitedの対象作品は変更される場合があるため、利用時にAmazonの商品ページで確認してください。
まとめ
『侯爵令嬢アグリ・カルティアは授かったチートスキルでこっそり農業を謳歌する』は、「貴族令嬢なのに農業スキル」という設定から始まる、かなり勢いのある異世界コメディです。
低く見られている農業スキルを、前世の知識と発想力でどんどんチート級にしていくアグリ。
隠しているつもりなのに周囲にはバレバレ。
さらに個性的なカルティア家、突然飛び出す昭和ネタと、笑える要素がたくさん詰まっています。
特に「異世界ものは好きだけど、シリアス一辺倒ではなく笑える作品が読みたい」という人にはおすすめ。
そして昭和ネタが通じる世代なら、若い読者とはまた違ったところで笑えるはずです。
私と同じ昭和世代のみなさん。
アグリのセリフに「懐かしい!」と反応してしまったら――。
きっと作者さんの思うツボです(笑)。


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